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お知らせ

血管内治療の課題を克服する新規の抗血栓性コーティングを開発

2024.07.17

血栓症リスクの低減と抗血小板剤の減薬を目指す

N.B.Medical株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:正林和也、以下「N.B.Medical」)は一般社団法人JMPR、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)と共同で、脳動脈瘤治療用ステントのための新規抗血栓性コーティングの開発を行ったことをお知らせいたします。

血液と接触する医療機器において、血栓の発生を抑制することは重篤な合併症を回避する重要な要素です。血管内に異物を留置するため、ステントを使用した患者は常に血栓性合併症のリスクにさらされています。そのため抗血小板剤の服用が必須となります。また、血栓発生のリスクを低減するためにこれまでに多くの抗血栓性コーティングが研究されてきました。従来のコーティングは、タンパク質の非特異的吸着を抑制することで抗血栓性を発揮するという原理が主流でした。タンパク質吸着の抑制は同時に細胞の接着を阻害することも意味します。そのため従来技術において、抗血栓性と細胞接着性はどちらかを向上させるともう一方は低下する相反関係にありました。

一方で開発した新規抗血栓性コーティングでは原理が異なります。この技術は血中の非凝固系タンパク質を優先的に吸着することで、ステント表面から生じる血液凝固反応が抑制されます。タンパク質の吸着を抑制するのではなく制御する本技術では、抗血栓性を発揮すると同時に細胞接着性が向上しています。細胞接着性の向上によって、ステントが血管に取り込まれる速度を増加します。ステントが血管内に早期に取り込まれることは、治療の早期完了を意味します。

この技術により、ステント治療で課題とされてきた血栓性合併症の発生を抑制します。さらに治療期間が短縮化されて抗血小板剤の減薬が可能となり、患者の負担軽減だけでなく医療費の削減にも貢献します。

なお、この技術の詳細は、2024年7月10日より「Scientific Reports」に掲載されています。

コーティング部門主任研究員 犬塚直希 コメント

“このコーティング技術を一人でも多くの患者様の回復に役立てることを目標に、引き続き薬事承認の取得を目指していきます。また、並行して米国や欧州での展開も想定し、各国での薬事承認取得を目指し、開発を進めてまいります。”

<N.B.Medical株式会社について>
法人名: N.B.Medical株式会社
設立: 2021年10月4日
所在地: 東京都中央区日本橋本町3-7-2
事業概要: 弊社独自開発のデジタルトランスフォーメーション技術を用いた脳血管疾患治療用医療デバイスの開発
WEBサイト: https://nbmed-inc.com/

N.B.Medical 株式会社

〒103-0023
東京都中央区日本橋本町3丁目7番2号
MFPR日本橋本町ビル 9階